この記事はShiftallのプロジェクトに関わるメンバーが日替わりでブログを更新していくアドベントカレンダー企画の8日目です。その他の記事はこちらのリンクからご覧下さい。
アドベントカレンダー2019
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はじめまして。
メカ系の設計者のY2です。
普段はあんまり気にしてないですが、よく考えると機械系の用語にも業界外の人が聞いたらびっくりしそうなものもあるなと思い、今回書いてみることにしました。
これらの用語をメカ系の設計者が口走っていても、真面目に仕事をしているだけだということを少しでも多くの人に理解していただけるようになればと思います。
バカ穴
例えば、上図の板Bを板Aにネジで取り付けたいと思ったとしましょう。
板Aには雌ネジを切って、板Bには雄ネジの外径(呼び径)よりも少し大きな穴を開けることになると思います。
ねじ部の断面を切ると、上図のような感じになります。
例えば、M3のネジの場合、直径3.5mmの穴を開けたりします。
この雄ネジを通すために開ける、呼び径よりも少し大きい穴の事を「バカ穴」といいます。
自分はもう、いつもの事なので全く気にならないですが、バカとかいきなり聞いたら業界外の人はちょっとびっくりするんじゃないですかね?
ちなみに、アホ穴は聞いた事ありません。
焼入れ
鉄鋼材料は熱処理を行うと特性が変化します。
そんな熱処理の1つに、鋼を強くする「焼入れ」というものがあります。
一般社会だとヤ○キーの話になるのかもしれませんが、機械系では全く違う意味になりますね。
「それは焼入れしとかないとあかんのちゃう?」とか言ってても、気にしないでください。
参考:焼入れ・焼もどし・焼なまし・焼ならし | 熱処理の基礎 | 熱処理入門 | キーエンス
はめ殺し
1回組み立てたら取り外せないような部分や設計の事を「はめ殺し」と言ったりします。
「はめて」「殺す(動かなくする、固定する)」みたいなイメージですかね?
建築業界とかでも使われている言葉みたいですね。
参考:シャブ?鼻たれ?はめ殺し?変わった建築用語10選 [住まいのプロが提案「イエコト」] All About
「(ねじどめするより)はめ殺しにした方がよくないか?」とか言ってても気にしないでください。
はめあい(はめあい交差)
棒状の物体(軸)を穴に差し込む時の、軸と穴の組み合わせの関係の事を「はめあい」と言います。
はめあい交差については「JIS B 0401」にも規定されています。
軸と穴の交差の関係によって「すきまばめ」「中間ばめ」「しまりばめ」と呼ばれたりします。
- 穴よりも軸が常に小さくなる寸法関係:すきまばめ
- 状況(交差)によってどちらにもなる寸法関係:中間ばめ
- 穴よりも軸が常に大きくなる寸法関係:しまりばめ
この「はめあい」という表現も、業界にいる自分自身ではなんとも思いませんが、聞く人が聞けばびっくりするかもしれません。
参考(MISUMIの資料pdf):はめあい選択の基礎/寸法公差及びはめあい
さいごに
ちょっと前に、たまたま「バカ穴」について「こんな表現あるんですね」という話をメカ系で無い人としたことから今回は着想を得て記事化してみました。
「自分の中の常識や当たり前は他人の常識や当たり前ではない」というのは、これからも気にし、忘れないように意識しながら生きていきたいなと思います。
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