名札で勤怠管理できる IoT 作りました

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フロントエンドエンジニアの野口です。ShiftallではiOSやAndroidのアプリ開発を担当しております。
通信する小さいデバイスが好きです。

今日は先日社内お披露目会で紹介がありました、勤怠管理Bot連動名札くん a.k.a. 名札管理くんの製作話を書きたいと思います。

棚や机から社内システムまで自作だらけのShiftallオフィスが完成しました
https://blog.shiftall.net/ja/archives/257/

まず、弊社の勤怠管理ですが、社内チャットで「おはよう」とか「帰ります」などと発言するとBotが自動で時刻と共に勤怠を管理してくれるというとてもシンプルなものとなっています。裏側はDialogflowを使っているので自然な言葉でBotと会話できるようになっています。

通常の運用であればチャットで事足りるのですが、キーボードをポチポチするだけなのもなんか味気ないなぁっと思い、IoTがまだ未開拓なあの「名札をひっくり返して出勤管理するやつ」と連携すると面白そう!と、シュッとプロトタイプを作ってみたところ、思いの外社内で評判がよく、甲斐さんの「これ作ろうぜ!」から製作がスタートしました。

材料は100円ショップと秋月で買って製作

チラシの裏:
この出勤ボード、テレビドラマ・相棒の小道具の一つとして毎回登場するのですが、いい味を出してて以前から気になってたんですよね。

さてさて、実際の仕組みですが、名札に磁石が埋め込まれており、磁極を検知して札の裏表を判定しています。
磁極を検知するセンサーはラッチタイプのホールセンサーを利用しました。

はじめての人でも分かるホールセンサーの原理と種類
https://www.fujiele.co.jp/semiconductor/ti/tecinfo/news201707140000/

センサーの値はESP32で読み取り、それぞれのフラグの時にチャットに投稿するようになっています。
チャットに投稿する箇所は先日のエントリーでも紹介されておりますので気になる方はチェックしてみて下さい。

社内のゴミ捨て当番を決めるスイッチをTypetalkとESP8266で作る
https://blog.shiftall.net/ja/archives/196/

札が少ない時はESP32単体でも問題ないのですが、今回は40個の札を管理しているのでIOエキスパンダーを別途利用しました。

センサー基板は日本語フォントがいい味を出してます
センサー基板は日本語フォントがいい味を出してます

センサーの子基板はガチの電気エンジニアの方に作って頂きました!
こんなフォントが印字されている基板見たことありますか?とてもクール!
子基板のハンダはさらに別のスタッフが作業して下さいまして、至れり尽くせりな状態でした。。

基本的なパーツは以上なのですが、札が正しく認識されたかどうかを知りたかったので、別途シリアルで制御できるMP3プレイヤーを利用しています。
出勤の時に「おはようございます」、退勤の時に「お疲れ様でした」と音声を再生しています。
(ちなみに再生される音声は女性の声なのですが、女性の従業員から名札管理「くん」ってついてるのに女性の声なのねとツッコミを頂き、Version 1.1 の管理画面より女性・男性の声が選択可能になっています。。)

DFPlayer mini
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-12544/
アンプも内蔵しててスピーカーを繋げば音が出る便利アイテムです。

札の認識はLEDでもよかったのですが、プロトタイプを作った段階で見た目は限りなくアナログに寄せた方が面白いと思ったので今回は音声形式にしました。

電気部分の紹介は以上になります。

次に木工部分の紹介をしたいと思います。
今回木工は弊社のガチデザイナーさんに作って頂きました!

大きな物でもカット・造形できるレーザーカッターと3Dプリンター
大きな物でもカット・造形できるレーザーカッターと3Dプリンター

まだオフィスにレーザーカッターやら3Dプリンターがない時にCADで設計し、搬入と同時にあれよあれよと完成しました..!
(レーザーカッターの初期設定とか色々面白い話があるのでいつかブログに書いてくれるかなぁ。チラッ)

名札の側面。表と裏で二枚構造になっている。
名札の側面。表と裏で二枚構造になっている。

札は二枚構造になっており、中に磁石が埋め込まれております。
木材は僕の個人的なリクエストにより檜を使用しております。年月を重ねるとどんな感じに仕上がるのか楽しみ。

名札の磁極を判定するテスター。磁石を埋め込む時に使う。
名札の磁極を判定するテスター。磁石を埋め込む時に使う。

磁極の判定はテスターを作って判定できるようにしました。
裏表でLEDの色が変わるだけの簡単な物ですがこちらも手作りしました。

CADでフレームの雰囲気を確認
CADでフレームの雰囲気を確認

ボードのフレームは板金屋さんに作って頂きました。
最初、CADでデザインを確認した時はヤクザの事務所にありそうなフォルムでしたが、実際はとてもシャレオツなものでした。

# 振り返り


普段はキーボードをポチポチして出来上がるのは形のないモノばかりなのですが、こうやって実際に手に取れるモノを作るのもまたいいですね。
今回は色々な人の協力を得ていい感じに完成し、感謝感謝です!

名札の位置はオフィスの座席表としての役目も兼ねているのですが、席替えをした時など、少し設定が手間なので、RFIDを埋め込んでアドレスフリーな感じにするともっと面白そうですね。

動画効果音:ポケットサウンド
動画の声:効果音ラボ
動画BGM:『猫色日和』|フリーBGM DOVA-SYNDROME