この記事はShiftallのプロジェクトに関わるメンバーが日替わりでブログを更新していくアドベントカレンダー企画の17日目です。その他の記事はこちらのリンクからご覧下さい。
アドベントカレンダー2019
https://blog.shiftall.net/ja/archives/tag/adventcalendar2019/
メカ担当の藤原です。
前回のアドベントカレンダーで「消費から再生」という壮大なテーマを、大風呂敷広げて書いたので今回は実践編をお送りしたいと思います!
修復する部品はこれ
この写真でこれが何なのか一発で分かったあなたは私と同世代のクルマ好きかもしれませんw
正解は今ではすっかり見なくなった、「クルマのスピーカーに被っているカバー」です(分かるかーい)。
最近のクルマはこのようなカバーは絶滅しており、デザイン性を高めるため内装と一体感のあるカバーになっています。
よって音が出ていなければスピーカーの存在を意識する事はほぼありません。
当方、少し旧いクルマを所有しているのでカースピーカーはこのカバーがねじ止めされています。フロントに2ヵ所、リアに2ヵ所あります。リアのスピーカーはリアガラスの真下にあり、もろ直射日光にさらされているので経年で劣化していき、見ての通り残念な感じになっています。
ダメージを確認する
材料はPCかABSだと思います。常時応力が集中的に掛かっているネジ孔部は全箇所クラックが入っており一部は欠損しています(中古で買った時からこの状態だった)。
こういう部品が目に付く場所にあると一気にポンコツ感がアップします。これは何とかしたい。
簡単に入手できる部品であればオークションやフリマサイトなどで中古を探すのが王道ですが、今回のように古くてなかなか出てこない部品は修理した方が手っ取り早いです。
ダメージによって修理方法は異なりますが、ひび等の軽微なものであれば接着剤が最もポピュラーな手段です。ただ、写真左のように隙間が開いてしまっている状態では接着剤ではくっつかないので隙間を埋めてやる必要があります。
また、写真右の欠損箇所は形状を作って再生させるしかありません。
プラスチック造形補修接着剤「プラリペア 型取りくん」
ECで1500円程度で手に入ります。
http://www.plarepair.net/
【商品説明】
化学結合で強力補修。折れ・割れ・欠けを再生補修出来るキット
固まればプラスチックそのもの
強力溶着・穴うめ・ネジ山再生まですべてこれ1つでOK
まさに「再生」の時代にふさわしい商品ではないですか!欠損部の再生はこれを使うことにします。
【STEP1】隙間を埋める
液体パテを使い隙間を埋めていきます。一度で埋まらない場合は何度も塗り重ねしましょう(磨くのが面倒でなければ、固形パテを使ってもOK)。
「パテ塗る→乾かす→ペーパーで磨く」を3回ほど繰り返すと、隙間は綺麗に埋まります。しかし磨くと表面のシボ(ブツブツ)も削れて消えてしまいます。が、気にせず進めます。
【STEP2】欠損部再生の為の型をとる
全箇所の隙間が埋まれば、欠損部を再生させる為の型を赤〇部からとります。
ここで、「型取りくん」登場です。シリコンとか固めの寒天といった感じです。
約3分。柔らかくなるまで煮ます。
透明度が増し、スライムのようになります(思わず食べないように)。
手で触れる温度になってから、ねって型を取りたい部分に押し当てます。(火傷に注意)
型取りくんが固まったら、ゆっくり剥がすと型の完成!(失敗しても再度煮れば何度でもやり直せます)
【STEP3】欠損部の再生
欠損した場所に型を当てます。
欠損部の再生には同梱されている「プラリペアキット」を使います。
樹脂の元となる粉末です。材質は不明です。
ニードルに溶剤をとり粉末に滴下します。
その部分をニードルで突くと、周りの粉が団子状になってくっついてきます。
粉の塊を型に落としていきます。
何回かこれを繰り返し、型に充填していきます。
粉は短時間でペースト状になるので指で型にしっかり押し付けます。(型が製品から離れないように注意しましょう)。
型を外すと表側はこんな感じで形状が再生しました。(ネジ孔もしっかり復元)
【STEP4】表面を整える
サンドペーパーで磨きながら、表面の凹凸を均し表面を整えていきます。
溝や段差は溶きパテを使いながら荒仕上を行います。最終仕上げを行うためマスキングをします。
仕上げはプラモ経験者ならおなじみのサーフェイサー使います。
(40年近い歴史をもつMrシリーズ。デザインも昔から変わらない定番商品)
表面の凹凸がなくなるまで、塗る→磨くを繰り返します。
つるつるになります。
欠損部も違和感なく再生できています。
【STEP5】塗装、シボ入れ
塗料も同じMrカラーの缶スプレー(今回はセミグロスブラック)。
これで完成!でもいいのですが、やはり表面にシボが無いと本物と比べ品位がなく質感に欠けます。ここまで来たら諦めずリアリティを追求していきましょう。
溶きパテを筆を使って突く感じで表面に乗せていきます。
パテが乾いたら再び塗装します。多少ムラもありますが、なんとか本物っぽくなりました。
【STEP6】完成!
色ムラがなくなるまで何回か塗り重ねます。塗装が乾きマスキングを取れば完成です。
【まとめ】
思ったより簡単に再生できた事と、自分で直す過程を楽しむことができました。
捨ててしまえばただのゴミですが、これでまた使うことができます。
手に入らない大切な物が壊れてしまった時には修理、再生する事にもチャレンジしてはいかがでしょうか。
【人材募集中!】
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