この記事はShiftallのプロジェクトに関わるメンバーが日替わりでブログを更新していくアドベントカレンダー企画の15日目です。その他の記事はこちらのリンクからご覧下さい。
アドベントカレンダー2018
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はじめましてこんにちは、水泳部の谷口です。
みなさんの推しは輝いていますか?きらきらですかね、それはよかった最高ですね!
普段私は調達や輸送、その他非開発業務を行っているのですが、なにかつくってみたいなと調べていた所、ここにArduinoがあるよ!とブレッドボードにジャンパー線にLEDに……と一通り貸してもらえてしまったので、好意に甘えてしばらく遊ばせてもらうことにしました。
なんやかんやで推しを輝かせる装置ができたので、そのお話です。
水泳部: はんだ付けから3Dプリンタ、レーザーカッターといった工作や電子基板、組み込みにいたるまでさまざまな工作を公私に渡ってあらゆる場面でこなすShiftall社内の部活動。名前の由来は部長が水泳アニメファンであり、部活動の本業は作品鑑賞のため、実際には部員は泳がない
基礎知識、皆無
LEDの足は左右で長さが違って長い方が+、グランドは – 側…… という所からスタート。HTML触ってこなかった方のおたくで、Arduino IDE をインストールしてSketchというものを知る。
まずはLチカ
“Arduino Lチカ” でググって、Arduinoと、LED・抵抗をボード上で線で繋げてみる。インストールしたIDEを開いて、Sketchを書いてみる。
コンパイル(と言うのか)してアップロード! …………チカッ チカッ !!
世の中沢山の人がLチカしてますね、仲間入りだ嬉しい。
ようしLED増やしてみよう、交互に光らせてみよう。
PWM制御
Lチカできたわーい!今日は記念日!していると、次はPWM制御いってみよう★との助言をもらい、ググる。
PWMとは「パルス幅変調」の意味で、~デューティー比を8ビットで表してて~……ほ、ほほぅ……?ってなりながら、とりあえず点!滅!だけ制御はdigitalWrite、明るさの調整はanalogWriteで書くんだな、おっけー、の認識。
ふわんふわん発光させたらとてもはっぴーになりました。コントロールしてる感あって楽しい。
光るの、成功が分かりやすくて嬉しいし、きれいでかわいいので最高ですね!
不純な動機
家の棚に飾ってたアクリルジオラマを見て、これ光ったらかわいいんじゃないか!?
推しのライブを待ち続けて早5年、よし、なんか光るステージつくろう!
お買物@秋葉原
出社前に電気街に寄って、電気エンジニアさんのお買い物に同行させてもらう。
秋月でパステルカラーLEDなるものを発見、どれも柔らかい色味がかわいい、アイスブルーとマゼンダをげっと。大丈夫、できるよー!と背中を押されLEDピカリ館で砲弾型フルカラーLEDもげっと。
買ったもの
- パステルカラー5mmマゼンダLED OSCA4L5111A (5個入¥150)
- パステルカラー5mmアイスブル―LED OSB64L5111A (10個入¥210)
- IC内蔵8mm砲弾型 NeoPixel RGB (10個入¥380)
- ジャンパーワイヤ(オスオス)セット(60本以上入¥220)
- 両面ガラス・ユニバーサル基板(210x155mm)
- ポリウレタン銅線
(後々出てくる抵抗/コネクタ/スイッチは電気エンジニアさんからいただいてしまった)
配置どうしようかな ~ まずはパステルカラー(単色)LED ~
ひとまずブレッドボード上で試してみよう。
マゼンダの方が数少ないんだよな、ランダムな感じに並べてみるか。単色LED2色を配置、抵抗置いて、それぞれ順番に+-にケーブル繋いで……、あ、+ 側を2系統に分けて別で制御できるとおもしろいかな、やってみよ。
……は!分けた2組を交互にふわんふわん光らせたら、星空瞬いてる感じになるのでは!?
配置どうしようかな ~ 次は砲弾型フルカラーLED ~
砲弾型フルカラーLEDさんはじめまして、あなた足が4本もあるのね……。なるほど色味はこれだぞ信号を伝えるのは別系統なんだという学び。
試行錯誤しつつなんとかフルカラーも光らせることに成功!
足が倍 = 配線倍になるとややこい、こっちは規則正しい並びのがよさそうだ。でも直線一列は味気ないよな、アーチ型とかがよいかな。
デフォルトで入ってるスケッチ例書き込むだけで、グラデーションで色味が徐々に変わっていったり、交互に点滅してくれたりと制御してる感あって満足度高い。こっちはスイッチつけて、押したら一連の発光パターン光るようにしよう。
ふわっと全体像
最初は、1枚の基板に単色LEDとフルカラーLEDどちらも載せようと思ったけど、一緒に光らせるとフルカラーの光がとても強くて、せっかくの単色の柔らかい色味が霞んでしまうので、基板ふたつに割って、単色LED用基板とフルカラーLED用基板、それぞれつくることにしよう。
Arduinoと基板とを繋ぐハーネスをつくるとよいとのアドバイスをもらったので、基板にはそのハーネスを繋げる用コネクタも付けよう。
2つの基板のサイズやコネクタ位置を同じにして、底面と背面入れ替えできるような箱型の台ができるといいなぁ。
基板の設計図作り
基板をスキャン(という概念を得る)してイラストソフトで不透明度50%にして印刷。基板の方にLED刺してみながら、色の配置とか部品同士の間隔調整したり、スイッチやコネクタのスペース確保しつつ、印刷した紙に部品や配線を書き込んで設計図にする。
「なんでコネクタ―とスイッチが離れてるんですか?」
「え?……あああーー! 近ければびよーんって線伸ばさなくて済むのか!!」
という学び、次があれば生かそう。
写真上半分が単色LED用:上下両端に+の線 / 真ん中に一本 – の線、ひっくり返ってるけどPはピンクのP(マゼンダだろ……)。
下半分がフルカラーLED用:左下のメモはハーネスにした各ケーブルの色とかArduinoのどこの入出力に繋げるか。
基板CUT
基板はごりごり手動Vカット入れてバキッと半分に割った、普通のカッターでもいけたけど、Pカッターなるものがあるようだ(後日オフィスに導入された)。
はんだ付け練習
はんだごては1x年前に技術工作の時間に触ったかなという程度なので、ちょっとやり方見せてもらった後、端っこあまり基板をいくつかもらい、銅線を淡々とはんだ付けしてく練習した。ボールを淡々とつくったりもした、ボールは友達!
作業エリアで黙々とやってたら、通りすがりのPMさんがコツ教えてくれたり、デザイナさんにやってみたいと言われたり、はんだ付けは嗜みのようである。あの独特のけむりと臭いも気にならなくなってきた。
設計図の見方
シンプル配置なフルカラーLEDの方から取り掛かることにした。
設計図通りにLEDを基板に刺して、足をぐにゅって折り曲げ……あれ?逆?いや合ってる??
は! そうか! 配線這わすのもはんだ付けするのも基板の裏面側じゃん!!=設計図とは鏡写しになるのかーーー という気付き。脳内反転で凌ぐぞ。
はんだ付け ~ 砲弾型フルカラーLED編 ~
(スイッチ用の)抵抗 → LED→スイッチ の順で、背の低い部品から基板にはんだ付けしてく。
LEDのそれぞれの足からメッキ線を伸ばしてグランド側と繋げる。線を延長していく時、追加のメッキ線がほんのちょっと短くても長くてもつけにくい。折り曲げたLEDの足(ちょっと太めだから硬い)が若干浮いてるのも厄介。
コネクタは傾きやすいので注意、端一ヵ所つけたら、ちゃんとコネクタ下面が基板に接地してるかチェックする。
Tips
- 背が低いものから順につけていく
- 線が真っ直ぐだと綺麗に見えるので、メッキ線はペンチでぐいっと引っ張ってから切る
- いい感じの長さに線切るスキル大事
- LEDの足をぴしっと折るスキルも大事
一通り – 側が繋げられたら、 + 側も同じようにLEDの足からメッキ線伸ばして繋いでく。隣同士のLEDの足も、交差した所で切ってはんだで繋げていく。
最後に、コネクタとスイッチの抵抗とを繋ぐ銅線をみょーんと伸ばして繋げる。
ハーネス作り
チュッパチャップスツリー記事のなるみ先生がつくってくださった。
はんだに当てて銅線の被膜をちゅるっと剥いたり、ケーブル繋げる時に付きやすいよう先にはんだ塗っておいたり、はんだは実装するだけじゃなかった、有能なこだった。
Sketchを書き込んで……
スイッチ カチッ
やったー!!!光ったーー!!!
って一発ではならず、抵抗間違えてたけど、切り取って隣に刺して事なきをえた、なんかあっても融通きくの安心。
こて当てすぎてはんだ焦げてる部分もあるし、スイッチ足近くの樹脂一部溶かしちゃったけど、光ってるからオッケー! ちょうハッピー!!今日も推しが輝いている!!!
はんだ付け ~ パステルカラー(単色)LED編 ~
計15個のLED(単色)を7:8で交互に光らせる。単色LEDにはそれぞれ一個づつ抵抗もつけなければならない。
部品は背の順実装のルールに則ると、抵抗から先に置いていくので位置取り大事のなに不規則な配置だし、地道にタテ/ヨコ穴の目を数えてくのがなかなかつらい。
そして設計図の脳内反転が追い付かない……そうだ!裏から透かして見よう!!(スキャンして左右反転して印刷し直すのがいいですね)。
メッキ線はこことここで……、こっちは銅線で……、って線を延長して繋げてく。
完全になんとなくで抵抗を基板端の方に揃えてはんだ付けしたせいで、ひとつ隣の穴と繋げなきゃな箇所が8箇所もあった。2~3mmしかない線をはんだ付けするの、ピンセット使ってもしんどい! 誰だこんな端に詰めて抵抗置いたやつ!!! ってぐぬぬしながら進める。
台のサイズ感
基板とかジオラマの下板とかのサイズを基準に、各パーツの長さ決めてメモ。2mm厚でまぁよさそうかな、底面に基板差込むには内側どーすっかなとか考えつつ、基板の目隠しに乳白のアクリルかなとか思ってたけど、トレぺ貼る作戦を教えてもらったのでそれでいこう。
アクリル調達
浅草橋から京成直通一本で着く立石駅で降り、駅から徒歩5分位で行けるはざいや。
一階は定形カット品とか、色味とかのサンプル見れたり二階はよくある直方体の展示ケースとか端材の量り売り、オウムの目みたいな半球とかもあった。来店サービスで一部5%offしてくれたきがする。
剥離紙に、うにゅっとした矢印↪ が描かれてるものは押出し、描かれてないのがキャスト。
押出:安価、カットとかくり抜きはOKだけど彫刻NG(溶けて糸ひいちゃったりきれいに出ないらしい)
キャスト:お高めだけど彫刻もカットもOK
買ったもの
- 透明(押出) 2ミリ 450x600mm ¥700
- 水色とか黒とかの端材(レーザーカッターで遊ぶ用になんとなく)
アクリルカット用データ
どっちの面で接着するかとか、アクリルの厚み考慮しながら、イラストレーターでカット用データつくる。
台の内側両サイドには、コの字型の部品張り付けて、基板をするっと差込めるようなイメージ。クリスタユーザーなので初めてまともに触った、仲良くなりたい……。
レーザーカッターで切る
レーザーカッターにデータ読み込ませて、パワーとかスピードを素材に合わせて調整。
赤い光、見ない方がいいの分かってても追いかけたくなる。きれいに切り抜いてくれるもんだ、しかも速い、すごい、楽しい。
アクリサンデー
アクリルを溶かしながら接着するらしい、注射器型の器具ですーーーってつけてくの面白い。すぐ付くしがっちりくっつく、すごい。面を付けると、透けて見えてきれいじゃないから、うまいこと辺でくっつけていきたい。
合体!!!
つくってみて
途中3Dプリンタとかレーザーカッターで遊んだり実家帰省したりで、実際には一ヶ月以上かかってる。
実際にできた台は、モノだけ見るとなんか簡素で、こんなもんかーという気持ちは正直ある
でも、電気のこと・ソフトのこと・ガワのこと、ちょっとずつでも触れられてよかった、それぞれに面白さと難しさがあってどれもだいじ。
あっれ背面と底面どっちかしか光らせらんないじゃんw 状態なので、どっちも同時に光らせたいな、
やっぱり箱は、手前辺が少し長い台形(もしくは 正方形)にして両サイド(もしくは2側面)にも壁つくったら箱庭感でてよかったかな (長方形の基板をどうするんだよで考えるのをやめた)、
基板隠しのトレぺはもっと薄いのでいいかな、
トレぺ無しでアクリルに彫刻入れたら光の導線変わってかっこよくなるかな、
一番手前に、客席最前列のサイリウムの波みたいのできないかな、
フィギュア系は影がおちるからやっぱアクスタだな、
アイドル衣装のアクスタつくりたいな、
とか、思う所は沢山なので、気が向いたら改良したい。
最後に
推しはそこにいるだけで眩しい存在かとは思いますが、より輝かせて(物理)みてはいかがでしょうか!? 年末も来年も、心のペンライト振り回して生きてゆきましょう、輝く推しであふれる世界を願って。
Special Thanks
各ステップでアドバイスくれたり、ハーネスをちゃちゃっと作ってくれたり、颯爽と現れては相談にのってくれる恩師なるみさん、どうもありがとうございました!